錠剤を経口摂取することによって、およそ80%が体内に吸収されます。経口摂取であるため、自宅でも治療可能な方法であることもメリットの一つです。
摂取は毎日行います。1日40g、つまり40粒を飲んでも問題ないというデータもありますが、当院では1〜10g、つまり1〜10粒を毎日の摂取量として治療を行っています。服用を始めて、次第に摂取量を増やしていくというプロセスになります。
臨床上、他の薬剤との危険な相互作用はありません。また患者さんが不快を感じることはなく、副作用もほとんどありません。非常に安全な治療法です。
本来、先天性疾患の治療に小児が毎日摂取する薬剤として処方されてきました。そのことをみても、がん治療のために大人が数グラムを摂取したとしても、大きな副作用は考えられないのです。
ひとつの目安として、3か月の服用による効果で、その後も継続するか否かを判断します。万一、効果が見られない場合は、コストのことも考慮してその後の服用については判断しなければなりません。
フェニルブチレート療法は、マウスによる研究ではアルツハイマー病にも効果があることがわかっています。がんとアルツハイマー病の双方に共通しているのは、エイジング(加齢)が要因にあることです。
歳をとることによって、がん遺伝子が活発になるか、がんを抑える腫瘍抑制遺伝子がうまく働かなくなるというのが、発がんの基本的なメカニズムです。その遺伝子のコントロールが悪くなるのが、老化の一つのサイン。アルツハイマー病の場合も、発症の原因であるタンパク質を抑える遺伝子が、老化によってうまくコントロールされなくなることが要因とされています。
がんもアルツハイマー病も、発症のメカニズムは、エイジングという要素で共通点があるのです。
そして、発症の原因となる遺伝子を制御する側、つまり腫瘍抑制遺伝子の側にはたらきかける分子標的治療薬の総称を、エピジェネティック治療薬といい、一方、発症原因となる遺伝子そのもの、つまりがん遺伝子の側にはたらきかける治療薬をジェネティック治療薬といいます。フェニルブチレートは、エピジェネティック治療薬の新しい薬剤です。
フェニルブチレート | 1か月分 ¥110,000(1日3g)〜¥330,000(1日9g) |
三番町ごきげんクリニック
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