フェニルブチレート療法

フェニルブチレート療法とは

#

新しい分子標的治療薬「フェニルブチレート」

フェニルブチレートは、がん治療における分子標的治療薬です。遺伝子そのものに働きかけるのではなく、遺伝子の発現を調節する因子に働きかける、エピジェネティック療法のひとつです。
フェニルブチレートは、もともと、先天性疾患(尿素サイクル異常症)の治療薬ですが、米国食品医薬品局(FDA)の認定外のがん治療薬として処方されており、急性前骨髄球性白血病や、初期または再発性の悪性神経膠腫患者の治療において手術や放射線治療や化学療法の補助としての使用も認められています(日本国内では、がんに対して未承認医薬品のため、個人輸入により処方いたします)。
副作用については、海外の臨床研究では、成人の進行がん症例に対して、1日最大36gを経口投与しても重篤な毒性はほとんど認められなかったことが示されています。現在までに、倦怠感、消化不良、吐き気、嘔吐、体臭、食欲不振、生理不順(無月経)、低カルシウム血症、浮腫、皮膚の発疹、肝毒性、尿細管性アシドーシスの報告があります。500mgの錠剤1粒には約62mgのナトリウムが含まれているため、心不全がある場合などには投与できないことがあります。
これまでのさまざまな研究によって、フェニルブチレートががん細胞の分化を誘導することが確認されてきました。臨床研究では、脳腫瘍・黒色腫・白血病・結腸がん・前立腺がんなど、さまざまなタイプのがんに対する効果が報告されています。
また、フェニルブチレートのもつヒストンデアセチラーゼ阻害作用に抗がん作用があることが認められ、大腸がんや乳がんにおけるがん細胞の増殖が抑制されることもわかっています。
部位を特定しない、あらゆるがんに対して治療効果を示すのが、新しい分子標的治療薬であるフェニルブチレート療法です。

当クリニックにおける個別化医療と、フェニルブチレート療法

#

治療薬の組み合わせで患者さん個々に最適な治療法を

抗がん剤治療の場合は、がんの種類によって、投薬効果のあった過去の臨床例がデータとして蓄積されています。その中で好成績をおさめた抗がん剤の組み合わせが、優先して臨床に使われていきます。
しかしそれは、いわば画一化された治療によるアプローチです。実際には、人によって薬剤の有効な組み合わせは異なるはずで、その人に合う治療薬も一概には規定できないものです。
分子標的治療薬は、多くの薬剤は標準外での治療になります。しかし場合によっては、標準外の薬による分子標的こそ、その人がもっているがん細胞の性質かもしれないのです。つまり、細胞や遺伝子についてしっかり調べてみないことには、真にその人に合った治療薬は決められないということです。
当クリニックでは、分子マーカーを細かく調べることで細胞や遺伝子の性質を見極め、患者さん個々の症状に見合った最適な抗がん剤の組み合わせを選択しています。フェニルブチレートを軸に、他の抗がん剤治療をどう組み合わせるかが、個別化治療としての基本的な考え方になります。
たとえ標準外の薬剤であっても、治療に向けた可能性があるのなら、使うことを積極的に考えるべき、というのが当クリニックにおけるがん克服への考え方です。いま行っている標準治療に、新しい標準外治療を加えることで、相乗効果による劇的な効果が期待できる可能性もあるのです。

がんでお悩みのことがあればまずはご相談ください

  • はじめての方へ
  • 治療から相談まで
  • 初診予約の受付

三番町ごきげんクリニック

TEL03-3237-0072 東京都千代田区三番町8-1 三番町東急アパートメント1101
  • がん治療についてのお問い合わせはこちら
  • がん診療のご予約
ビタミンCはガンに効く
関連書籍:「がん治療の第四の選択 5種複合免疫療法」

三番町ごきげんクリニック
TEL 03-3237-0072
〒102-0075 東京都千代田区三番町8-1 三番町東急アパートメント1101